苛々する。
隣を歩くアシタバからは普段の小動物みたいな反応や表情が見えない。
本好のところで見捨てた、というか犠牲にした手前もあるし、実際に確かにテストは順調みたいだから終わるまでは耐えることにした。
でも本好みたいになることは今は我慢できても、アシタバの口から出るのが美作の話だけというのは耐え切れない。
美作の話ばかりされても楽しくない、というのもあるが、こいつが、アシタバが、美作しか見てないようで、それがどうしようもなく嫌だ。
でも胸倉を掴もうが揺さぶろうが叫ぼうが、アシタバの様子は変わらない。
本好は知らないというがどう見ても本好二号だろ?
いっそ病魔を相手にしたときのほうが何倍もましだった。
誰でもいいから何とかしてくれ!と叫びたくなった。
結局、テスト期間を終えてアシタバは元に戻ったが、オレは今回のことで自分の中の余計な感情を学んでしまった。
END
湖朱萌蒼地様よりいただきました、ありがとうございますv
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