君が生まれたときから、ずっと

 君を、見てきたよ。







○明けの明星○















 ソルジャー・ブルーは確乎(しっか)りと、それを注視(みつめ)めていた。
 宙に瞬く星すらも寝静まる真夜中、(ほの)かな灯りに照らされて、小さなベビーベッドがひとつぽつりと揺れている。

 中には柔布に包まれた、生まれたばかりの赤子がひとり、小さな小さな安らかな、寝息を立てて眠っていた。
 まだ頑是無(がんぜな)い、小さな子。
 金色(きん)の産毛も柔らかな、この世に生まれて間もない赤子。

 ソルジャー・ブルーは、小さく小さく息をつく。
 空は震えない。何故なら彼は思念体。此処に在って、此処には居ない。


 目の前の子は、ただの子どもだ。皆と同じ、なに不自由のない、ただの、子。

 けれど。

 ソルジャー・ブルーは思いを馳せる。
 思う先はこの子が照らす同胞(はらから)の未来。


 予知ですらない。確信すらない。単なる直感。
 それでも、この子は。

 現在(いま)ある同胞(もの)の誰よりも、健やかなる身体と汚れなき精神を併せ持った、次代を担う希望の光。

 暗い宇宙を照らす太陽の、光だ。


 何を根拠に、と問われれば、返す言葉ひとつ無いけれど。
 それでも絶対的な確信が、あった。

 今は伏せられた瞼の下、光に輝く瞳があること。

 小さく小さく頑是無い、未来の愛し子。夜明けを導く太陽。


 ソルジャー・ブルーは、そっと、そっと手を伸ばす。
 指が頬に触れかけて、
 ぴた、と止まる。


 まだ、触れては、いけない。

 覚醒めの時はまだ遠く、今はまだ明けも見えぬ宵の中。
 いまはまだ、眠りの衣に包まれていなくては。だから。


 そっと、手を引こうとした、時だった。

 不意に赤子の指が、何かを探すように彷徨い――

 ソルジャー・ブルーの、手を、掴んだ。


 ――否、それは気のせいだろう。
 何故なら彼は思念体で、此処に在って、ここに居ない。
 そのはず、なのに。

 在るはずの無い、ソルジャーの手を、その小さな小さな手で掴まえた子は、
 その目を未だ夢の国に彷徨わせ閉じたまま、
 ゆっくり、微笑んだのだ。


 ――ああ

 ああどうしてこの手を放すなんてことが出来ようか?

 一度引きかけたその手を、もう一度、重ねる。
 今度は、しっかりと。
 壊れぬように、包み込むように。

 瞳はまだ、瞼の奥に伏せられたままだけれど、

 次に覚醒めるとき君はきっと何も覚えてはいないだろうけれど

 この手のぬくもりを忘れることはない

 例え離れてもずっと、ずっと、君を見ているから、

 せめて明けの明星が夜の帳を開くまで、


 共に。










END





太陽系の外にいて金星もなにもヌェー(ぁ
えーと一応初邂逅…とゆーことにしといて欲しい…らしい…
あああ支離滅裂…orz


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