僕達は、何一つ、
手に入れることなど、出来はしない。
一つになれることなど、出来はしない。
○―クルイウタ―○
例えば、子供だったとき。
親にねだって、買ってもらった、流行りのペット。
それは、その一瞬でも、僕のものだったかもしれないけれど、
それは、僕よりも先に逝ってしまった。
自由を主張するように。
自己を主張するように。
僕のものではないと――知らしめるように。
嗚呼、
きっと君も、
僕を置いていってしまうの?
自由を主張するように。
自己を主張するように。
君は僕のものになりえないと、
僕らは共になりえないと、
そう、言うの?
たとえ背中を合わせていても、
たとえ口唇を合わせていても、
たとえ肌を合わせていても、
躯を重ねているときにでも、
僕らは一つにはなれはしない。
君を僕の中に感じているとき、
この皮膚が無ければ良いと、僕は何度思っただろう?
この空気が無ければ良いと、僕は何度思っただろう?
そうすれば、二人は真に一つになれるのにと、
幾度も空を裂き、皮膚を裂いて、
君を僕の血で、僕を君の血で満たした。
嗚呼、けれど、
僕らは尚も一つになれることはない。
いつか別たれるその恐怖に怯えながら、
躯を合わせる擬似的な繋がりに一つになれたと錯覚して心を満たすしかなくて。
ねぇ、もし、
もしも、
僕たちが本当に一つになれる方法があるのなら、
身体も、
心も、
命すらも、
一つになってしまえば良い。
そうしたなら、ねぇ、
君は、
僕を
置いていったり、しないだろう?
そうして僕らは永遠に、
二人だけを感じて、
二人だけの世界で、
エイエンニ、ボクタチダケヲ。
END
暗ッ!ていうか、グロッ!(笑)
グロ系でも、アメリカンホラー的なものより静かでありながらも凄惨なものが好き。このフェイトも愛を語らいながらアルベルにナイフを突き立てるんでしょう。多分。orz愛憎半ばとはよく言ったもんだ。
たまーにこういうのが書きたくなるのが夏の魔法。(勝手に)
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