4月1日　チャットルーム(深夜)



[毎年毎年、よく飽きもせず嘘がつけるなと]
【確かに純真な人ほど迷惑する日ではありますね】
《どーもこんばんわー甘楽です☆》
[甘楽さん、ばんわー]
【甘楽さんこんばんわー】
《今ログ読みましたけど、エイプリルフールですかー？って、もうすぐ日付変わっちゃいますけど》
《セットンさん、そんなにだまされたんですかあ？》
[別にそんなに騙されたって訳ではないですけど…2、3回程度ですし]
【逆に甘楽さんは騙す方な気がしますね】
[あー]
《えー！そんなことないですよぅ！っていうか太郎さん、そんな目で見てたんですかあ!?》
【え、いや…そういうわけじゃないですけど】
[普段言ってることにこっそり嘘言われてもこっちは気付けなさそうだし]
《セットンさんまでひどーい！私が一度でも嘘なんてついたことありますかー!?》
[いや、だからわからないしｗ]

内緒モード【…まず性別から偽ってるじゃないですか】
内緒モード《別に嘘なんてついてるつもりはないよ？それに情報屋が嘘をついたら商売にならないだろ？》
内緒モード【それはまあ…そうですけど】

《もー！純真な二人にそんな目で見られてたなんて超ショック！》
【純真て】
《それにエイプリルフールは悪意のない嘘しかついちゃいけないルールなんですよー》
[え、うそ]
【そこからして嘘っぽいというか】
《だから、本当ですってばあ！》

内緒モード《本当に信じてないねぇ、君たち》
内緒モード【別に、臨也さんの情報は信頼に足るとは思ってますけど…】
内緒モード《そう？なら特別に、偽りのない情報をもうひとつ教えてあげるよ》

《ネットだってテレビだって、軽いジョークばっかりじゃないですか》
《エイプリルフールは嘘を楽しむ日であって、嘘ついていいだけの日じゃないですよー》
【え、じゃあつかれた相手が不快になったらダメってことですか】
《そういうことです☆ムカっとする嘘はつかないです！》

内緒モード【…で、なんですか、情報って】
内緒モード《それはね》
内緒モード《僕が君を好きだって事さ》
内緒モード《人間として、そしてそれ以上に、一人の個として、大いに君に惹かれている》
内緒モード《簡単に言うと――愛してる》
内緒モード【……】

【つかれた嘘が不快かどうかなんて、本人次第な気もしますけど】
[確かに]
【…すみません、明日早いんでそろそろ落ちます。…甘楽さんに嘘つかれても困るし】
《つかないって言ってるのにー》
[太郎さん、おやすー]

――田中太郎さんが退室されました――

《あーあ、いっちゃった》
[そりゃ誰だって嘘はつかれたくないですよ]
《だからつかないですってば！》
《それに、この時間じゃもう嘘なんてつけないのにー》
[この時間って、一応まだエイプリルフールですが]
《それはそうなんですけど、エイプリルフールってさっきの他にもルールがあって》
《4月1日の午前中しか、嘘はついちゃいけないんです》
《だから、今の話は全部本当です！》
[……]
[すみません、私も落ちますー]
[それじゃ、また]

――セットンさんが退室されました――



　――次の日、新羅はセルティに起き抜けに殴られる事となった。


おわれ














まさかの新羅オチ
ちなみにエイプリルフールのルールは実際にあるらしい。


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