抱きつく。胸に顔を埋める。
声なんて聞きたくない。
顔なんて見たくない。
「え、何、帝人君どうしたの」
慌てたような声。
でも少し嬉しそうなのが腹立たしくて、僕は何も言わない。
「……みーかど君?」
声音が少しだけ、困惑したものに変わる。
いい気味だと思う。
困ればいいんだ。
「無反応?うーん、これはツンなのかデレなのか判断に困るなぁ。まあ個人的にはこういう新手のデレも嫌いじゃないけどね。あ、それとも襲っちゃおうと下はいいけど次にどうしたらいいかわかんないとか?いやーん田中さんに襲われるー♪」
……煩いなぁ……
余計な言葉なんて聞きたくない。
「……帝人君?あのさ、ホントにどうしたの。黙られちゃうと流石に俺もどうしたらいいのか」
小さなため息が、耳に掛かる。
声なんて聞きたくない。
顔なんて見たくない。
ただ、
「――……あー……えーっと……」
そっと、背中に触れてくるモノがある。
その感触に、僕は思わず身を震わせた。
「……ああ、何だ――こうすれば良かったのか」
安心したような、嬉しそうな声が耳元で揺れて、僕は少しだけ微笑った。
「酷いなぁ……帝人君、言ってくれないとわかんないよ?」
そんな事。
この人は、時々、本当に鈍いなぁ、と思う。
――抱きしめて欲しい、なんて、言わないとわからないなんて。
オフ本原稿に着手する前の手習い。というか、長編に出来るネタが降りてこn(ry
しかし何故かこの二人を書こうとするとほのぼのします。アリエナーイ!!
実際がアレだからその反動か…?
しかしタイトル。なんかの略でつけたはずなんだが、何の略だかさっぱり覚えてない。まかり間違っても最後にOを足してはいけない。そういう意味ではない。
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